日曜大工からパソコン、Webまで、忘れっぽくなった自分のために残したビンボーな備忘録

あなたにもできる床下断熱工事、家族の健康的な生活を守るために

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冬も日没になると、床下から冷気がズシンズシンと上がってくるのを感じました。
その一番大きな原因が床下に断熱材が無かったことなのです。

目次

住む人たちの健康的な生活が維持できる家こそが家である

「家の作りようは夏をもってすべし」

これは鎌倉時代に兼好法師が「徒然草」第55段で言っていることばです。

冬の寒さは火をおこしたり重ね着をしたりで何とかなるけれども、夏の蒸し暑さだけはどうしようもないから、住居は冬ではなく夏に過ごしやすくなるように作りなさいということなのです。

寒い家は健康に害を及ぼす

しかし、家を夏向きに作るということは、冬はその寒さを我慢するということなのです。そしてそのような寒い住環境が健康に及ぼす悪影響が明らかになっています。

2018年、WHO(世界保健機関)が健康の観点から家の中全体の室温は18℃以上にすることを強く勧告しています。

2019年2月、国土交通省が国内の平均年齢57歳の住居2190戸を冬季に調査したところ、各部屋の平均気室温は

  • 居間:16.8℃
  • 寝室:12.8℃
  • 脱衣所:13.0℃

という結果が出ており、寒い家の健康リスクが指摘されているところです。

南九州の我が家でもご多分に漏れず冬は寒い家です。「魔法瓶のように家全体を断熱材で包むのが一番効率がいい」と言われだしていたのも新築中の頃でした。

しかし未だに一戸建ての住宅で「エアコン1台で家の中全体が適温」というのはまだまだ少ない状況です。

2022年4月「省エネ・断熱」の義務化が閣議決定されました。

DIYで床の断熱工事に挑戦

この作業をするためには床下に人が入れる高さプラスαがあることが必要です。これは業者にとっても同じです。無理ならば床板を剥いで行う作業となります。

北海道に住んでいたころ、ちょうど冬場に床の修理で断熱材の有り無しの両方を経験したことがあり、その違いに驚いたことがあります。

それでDIYでの床断熱工事に挑戦したのですが、その際に仕入れた豆知識を一つ。

床の断熱と一言でいっても2通りの方法があります。それは「床断熱」と「基礎断熱」です。

1. 床断熱

 下の写真は床下の湿気を逃がすために土台部分に設置された床下換気口です。

床下換気口 最近見なくなった
基礎の上に設けた床下換気口

しかし特に冬場は換気口から入る冷気により底冷えがする原因でもあります。

「床断熱」とは1階床に断熱材を入れ、床の上と下を完全に分離します。つまり床下は完全な室外扱いとなります。

換気口があると強度に問題があるので、最近は基礎と土台の間にゴムパッキンを入れて通気させるのが増えているみたい

2. 基礎断熱

 床下部分の周囲をコンクリートで囲ってしまい、丸ごと断熱する方法です。つまり床下部分も床上部分も丸ごと室内とみなすのです。素人が後から施工できるものではありませんね。

どうりで最近の新築には床下換気口を見なくなったんだ

床断熱工事の前にやること…気流止め

根太方式では壁との取り付け部に隙間

我が家は木造軸組み工法で造られており、床部分は等間隔で並べた根太の上に床板を張る根太方式です。

因みにこの根太方式はすでに旧式のもので、最近は根太を貼らず床板を直接張る工法が主流になりつつあるようです。

根太と壁の取り合い部

この根太方式では根太の上に床板が敷かれるため、高さが高くなった分隙間ができます。

壁との取り合い部でこの隙間が壁内と通じてしまい、床下の冷たい空気が壁内に流れてしまうのです。

このままでは床下に断熱材を張ったところで、床下の冷たい空気がこの隙間を通じて壁内に入り込み結露を起こすことがあります。

そのためこの隙間を塞いで空気の流れを止める必要があります。それが「気流止め」と言われるものです。

かつてはこの気流止めがされていない(業者が知らなかった)ため、壁内に詰めたグラスウールなどの断熱材に結露が生じ、カビが生えたり木材が腐食したりなど大きな被害が出たことがありました。

この気流止めとして現在は簡単に施工できる部材が市販されています。たとえばグラスロン間仕切りエースもそうです。

下図はこの間仕切りエースの実物写真です。

この間仕切りエースはポリエチレンフィルムに包まれていますが、片側だけが孔があいています。

ピンク側の面が「孔あきポリエチレンフィルム」、反対側が「孔なしポリエチレンフィルム」です。

気流止め用 間仕切りエース

孔なし側を室内に向け、室内の湿気を遮断することによりグラスウールの結露を防ぎます。

穴あり側は外に向け、断熱材内部に万が一入った湿気を外へ逃がします。

この孔が空いている側が内側になるように二つ折りにして「小屋裏」と「床下」の両方に施し、その間の隙間の気流を止めるということです。

この間仕切りエースを使った気流止めの概略図を下に示します。

壁体と気流止めの食見
画像:(株)酒井商会HPより

下図は床下から壁体内への隙間を埋めているところです。見てわかりやすい場所の画像を掲載しました。

実際には障害物があってこのように収まらないところもあるので、そこは適宜切り込みを入れるなど工夫します。

ピンク色側を内側に折る
縁を整えて完了

前置きが長くなりました。これから断熱材を入れる作業になります。

根太と根太の間に断熱材を入れていく

気流止めが完了したら根太間に断熱材を入れていきます。ただし畳部屋の場合は床下の構造が異なるので、断熱材入りの畳に交換することにしてこの工事は省略することにしました。

断熱材の選択と施工

断熱材というとグラスウールが一般的ですが、長さが86センチ、幅27センチ程度の市販の発泡ポリスチレン樹脂製を一枚一枚根太と根太の間に挟んでいく方法を取りました。

断熱材
グラスウールより取り扱いは簡単 根太間に押し込むことで2つのスリットが埋まる感じ

● フクフォームという断熱材を利用しましたが、本来は上から挿入するものを下から入れるため結構苦労しました。
「参考」フクビ化学工業(株)HP

● ネオマフォームで根太間充填用(幅257mmにカット済)を見つけました。こちらの方が性能がよく施工しやすい感じです。製品番号:66-C1(厚さ66mmの場合)
「参考」旭化成建材HP

● 本来は上から押し込むもの

この製品(フクフォーム)は下図のようにフローリングを張る前の根太間に上から押し込んで設置するのが基本です。

断熱材には上面(床板に接する面)側にスリットがあり、横方向に若干広がっていて断面は台形のような形です。

この断熱材をクサビを打ち込むように上から押し込むと、上面部が外側に反発して突っ張ることにより自ら根太に隙間なくしっかりと固定されることになります。

新築時は上から入れるので簡単
根太間に押し込むことにより反発力が断熱材を固定する(床板を剥がす必要がある)

● 床板を剥がさず下から取り付けるのはちょっと難しい

ところが今回のリフォームのように断熱材を下から取り付ける場合は、最初にこのスリットで広がった部分を根太間に押し込む必要があります。

そのためにはスリットで広がった部分を両サイドから押して根太間の寸法以下まで縮めるのですが、これがなかなか困難で相当の力を要します。

また長さもあるので一様に押し込んでいくのはなかなか難しく、無理をして断熱材が欠けてしまうこともありました。

上下さかさまにしてスリットの無い方から押し込むと簡単に入りますが、断熱性能がかなり落ちるのでダメみたいです。

後で床下から入れるのは結構むずかしい
横に広がっている部分を押さえながら下から入れるのはかなり難しい作業

● 場合によっては2つに分割して挿入

しかも台所や浴室付近は配管や部材が邪魔をするのでそのままの長さでは入らず、断熱材を半分にカットして右、左と分けて押し込まざるを得ない箇所も少なくありませんでした。

押し込んだ後はカットした部分を気密テープで覆えば完璧です。

そのままの長さでは入らず、やむなく2つに分けて別々に入れざるを得ないこともあります
製品の長さのままでは入らず、やむなく右、左と2つに分けて入れざるを得ないこともありました

断熱材をピンで留め、根太との接触部は気密テープで覆う

断熱材はかなり大きな力で突っ張っていますのでずり落ちることは無いと思いますが、形が弓なりにエビぞってしまい、床板との間に空間ができることがあります。

床板との間に空間ができるのを防ぐため断熱材の下側から何か所かピンで押さえつけ、また念のため根太との接触部は気密テープで覆いました。

床板との間に隙間
床板との間に隙間ができやすい
ピンで断熱材を押さえるとともに根太との間は気密テープで覆う
床板に密着させるためピンで留め、気密テープで隙間を埋める

断熱材押さえピンを使うときは木ねじの長さに注意が必要だ

木ねじの先が床上に突き出たらケガをしてしまうわ。

パイプ貫通箇所付近の隙間は発泡ウレタンで埋める

配管、配線箇所は断熱材に切り込みを入れて埋めるのですが、どうしてもこれらと断熱材の間に結構な隙間が生じてしまいます。

隙間を気密テープで覆ってもいいのですが、形状が複雑なため、ここでは発泡ウレタンなるものを使用してその隙間を埋めることにしました。

発泡ウレタンで隙間をを埋める
本当は缶をもっと逆さまにしたいけど缶の底が床板に当たって難しい

発泡ウレタンは缶を逆さにして上方に向けて射出するのですが、逆さにすると図のように缶の底が上の床板に当たるため、缶自体を逆さに維持するのは難しく、工夫が必要です。

我が家の床下は高さが十分あり、またベタ基礎のため湿気も少なく条件は比較的良かったと思います。

もし高さがあまりない場合は作業そのものがとても困難になりますし、蜘蛛の巣やネズミの死骸などがある環境では途中で嫌になるでしょう。

閉所恐怖症気味の私は、たぶんその様な高さがない床下ならやりませんでした。その場合は床板を剥いで行うなど、やはり業者にお任せするのが得策だと思います。

意外な落とし穴…コンセントの気密対策

床下と天井部分に気流止めをしたものの、壁体内の空気はどこかに隙あらば外に出ようとします。

コンセントはまさにその「隙」になってしまいます。

実際コンセントのカバーを外して顔を近づけてみると、行き場を失った空気がここぞとばかり噴出してくるのがわかります。

コンセントカバーがあるので漏れはわずかですが、コンセントの数は1個や2個ではありませんから無視することはできませんね。

コンセントに気密カバーをつける

コンセント気密のための製品があります。既存のコンセントを開けて接続部分を含め覆ってしまうのです。

この方法は結線を外すので電気工事士の資格が必要となります。
ただしカバーに切り込みを入れて結線をスライドさせるように入れ込む方法なら結線を外さなくても済むので資格は不要です。

浴室、洗面脱衣所の床下に撹拌機かくはんきを設置

床下換気口により自然換気がされているのですが、浴室と脱衣所付近は素人目にも床下換気口の数と配置が適切とは思えませんでした。

また付近の床下は配管も多く空気が滞留しがちであると思われたので、床下撹拌機なるものを設置して空気の流れを促してみました。

床下に置いておくだけなのですが、電線の結線は必要です。コンセントに差し込むだけなら資格はいりませんが、壁のスイッチに接続するなら必要です。

ケーブルの先端には差込型コネクタが付いており、使わなくてもいいのですが、結線は簡単です(⇨ 別タブで使い方を開く)。

運転音は静かなので気になりません。(2024.9.17)

床下に置くだけの撹拌機
床下に置くだけ。吊り下げるタイプもあります。
差込型のコネクタ(クイックロック差込型電線コネクタ)
コードの先端は差込式のジョイントが付いている。プラグをつないでもよし、壁のスイッチに配線(この場合は要資格)してもよし。

吊り下げタイプやタイマー別売りもあるよ


吊り下げタイプやタイマー別売りもあるよ

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床下撹拌機ポイントファン PF-101N タイマーTB50S2付 換気扇 湿気対策
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参考情報

● 室温が10℃低下した時の血圧の上昇量 高齢になるほど大きく上がり、70代以上は血圧10異常上昇(羽鳥慎一モーニングショーより)

● 子供は低温な環境にさらされ続けると深部体温が低下→ 深部体温が0.1~0.2℃下がっただけで免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなる

● 18℃以下の生活を続けていると要介護状態が早く訪れる

● 日本の住宅は現行の断熱基準を満たす高断熱住宅が約1割のみ
  高断熱13%、中断熱22%、低断熱36%、無断熱29%
(国土交通省 全国約5000万戸対象(2019年公表))

雑感

床断熱は新築時に行えば難しいものではないのですが、後でリフォームとして行う場合はかなり困難が伴います。

北国-寒い床下

なんとか作業が終わってもやはり完ぺきとはいいがたく、特に台所などの水回り付近は配管が多いため、それだけでも動きが制限されてしまいます。

本当に新築時だったら素人でもできるほど簡単なのにと思いました。

ただ、家を新築する時というのは一般的に社会人は現役だろうと思います。

なかなか時間を取りにくいかもしれませんが、断熱についてはしっかり業者側と打ち合わせをして、後悔のない家づくりをしてください。

(おわり)

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