忘れっぽくなった自分のために残したビンボーな備忘録

通線ワイヤーが無くても可とう管にケーブルは通せる

別の投稿記事「防犯だけにあらず、ガーデンライトであなたのお庭にアクセントを」で、可とう管にケーブルを通すには「通線つうせんワイヤー」を使うことを紹介しました。

目次

電線を保護するために

可とう管

「可とう」はフレキシブルの意味で、ガス配管用の鋼管もありますが、ここでは電線・ケーブルを収容、保護する合成樹脂製の管を言います。長尺で軽く簡単に曲げられるものです。

屋外だけでなく屋内でも使用されます。地中やコンクリートに埋設することもあり、大きくPF管とCD管に分けられます。

PF管とCD管との違い
  • CD管:耐候性や自己消火性なし、屋外使用には不適、安価、主にコンクリート埋設専用、オレンジ色のみ
  • PF管:耐火性及び自己消火性あり、露出配管が可能、白色、黒色、ベージュ等々

店頭陳列中の可とう管

可とう管
用途によって若干の違いがあります(オレンジ色:CD管、白色:PF管) 近所のホームセンターにて

φ16mmは管の内径のこと、サイズは種類があるから注意してね!↓

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通線ワイヤー

電線やケーブルをリードして管に通すためのワイヤーのことです。

通線ワイヤー

ガーデンライトはもちろんのこと、センサーライトや簡易監視カメラなどの細く弱い電線を設置するときは保護したほうがいいね

丸ごと地中に埋設して目立たなくすることもできるな

可とう管にケーブルを通すのは結構むずかしいもの

電線やケーブルを保護するための可とう管ですが、この管に電線・ケーブルを手送りして通すのはかなり難しいものです。

押し込める長さはその太さにもよりますが、うまくいってもせいぜい2、3メートル位が限度です。

むしろ無理といったほうが正しいでしょう。結構イライラします。

電線やケーブル単独だと、腰が弱い上に管内の摩擦のため、押し込んでも途中で折れたりれたりして詰まってしまうことが多いんだ

二階のベランダから管を真下に垂らしてやってみたけど、どうしても摩擦で通らなかった

そこで登場するのが通線ワイヤーです。DIYに趣味があり時々使う見込みがあれば1本持っていててもいいのですが、そうでなければわざわざ買う必要はないでしょう。

この道具を使わなくても簡単にケーブルを通す方法をご紹介します。

通線ワイヤーを使わずに可とう管にケーブルを通す方法

● 掃除機で吸い出す

押してもダメなら引いてみましょう。

簡単なのは掃除機で吸い出すのです。といってもケーブルを吸い出すのではありません。

まずビニル紐を通します。軽いビニル紐は特に空気の流れに乗りやすいので、このビニル紐を掃除機で吸い出すのです。

ビニル紐が通ったらそのビニル紐にケーブルをつないで引き出します。

掃除機のホースと可とう管をつなぐなど前準備がちょっと面倒かもしれませんが、難しいことではありませんのでやってみましょう。

ここでやること

通線ワイヤーの代わりにビニルひもと電気掃除機を使う

道具は普通の家庭にあるものです

【用意するもの】電気掃除機 ビニル紐 ハサミ 布テープ あと必要に応じてポリ袋、厚紙等々

準備する小道具
特殊なものはありません
ポータブル掃除機のこのような吸い口には付属のノズルを使用する
掃除機によって付属のノズルが必要なことも

掃除機のホースと可とう管を繋ぐのですが、上図のようなポータブルタイプの場合は筒形のノズルが必要になります。

ごちゃごちゃ並べたけど、要するに吸い込みができればいいんだ

手順を次に記します。

STEP
掃除機のホースと可とう管をつなぐ

この作業が一番面倒かもしれません。逆に言えば、これが出来れば終わったようなものです。

可とう管と掃除機のホースは形や大きさが異なりますからつなぐには工夫が必要です。

掃除機と管をつなぐ。
口径の大きい掃除機のノズルに管を入れ込む
掃除機のホースと管を一緒にビニルで包む
そして空気が漏れないようにビニルなどで覆いテープで留める

口径の大きい掃除機のホースに可とう管を入れ、隙間を覆うように布テープで留めます。

上図はテープのねばねばがホースに付くのではと思いビニルを当てましたが、長時間ではないので直接布テープで留めても心配はあまりないようです。

養生用のテープだとがすときに跡が残らないです。ビニルはスーパーの買い物袋でOKです。

携帯型の掃除機には適当なノズルを付けておく
ポータブル型の場合はノズルを付ける
ノズルの先端と管をトイレットペーパーの芯で覆ったもの
口径が同じような場合はあらかじめ厚紙などで両方を覆う。

ポータブル型の場合はノズルの形によっては工夫が必要です。

一方が差し込めない形状や口径の場合は、厚紙などで両方が一直線になるように固定してテープで留めるのが良いと思います。

上図はトイレットペーパーの芯で両者を覆ったもので、隙間はテープでカバーします。要は空気が漏れなければOK。

STEP
ビニル紐に目印をつける

管の中が見えないのでビニル紐をどこまで吸い込んだのか分かりませんね。念のためにビニル紐に目印を付けておいた方がいいかもしれません。

可とう管の長さ+1メートル位の所にマジックでマークするとかリボンを付けるなどしてみましょう。

STEP
ビニル紐を掃除機で吸いこむ

掃除機をオンにし、可とう管の反対側からはビニル紐を送ります。

ビニル紐の先端は空気の抵抗を増すためにばらした方が良い
ビニル紐の先端をばらしたり丸めておくと吸い出しが容易になる

吸い込みが悪いような場合は、紐の先端をばらしてみたり紐を管に送り込むように少し手伝ってやると後はストレスなく進んでいきます。

STEP
ビニル紐の反対側にケーブルをつなぐ

紐の先端が掃除機に達したら可とう管を掃除機から外し、紐とケーブルをつなぎます。

ビニル紐に目印をつけておけばどこまで吸い込んだらいいかわかるね

ビニル紐の反対側にケーブルをつなぐ
ケーブルにビニル紐をつないだ状況

ケーブルが長くなるほど紐をく際につなぎ目にかかる力が大きくなります。

ケーブルを曳くときに管の内側に引っかからないよう、つなぎ目はできるだけ角が無いようにしてください。

STEP
ケーブルのつなぎ目が出て来るまでビニル紐をゆっくり引く

ケーブルと紐をつないだらゆっくりと紐を引きます。この時管内の摩擦を少しでも少なくするために管はできるだけまっすぐに伸ばしておきます。

つなぎ目が外れたらやり直しだな

つなぎ目が出てきたらケーブルをゆっくりと引き出す
つなぎ目が出てきたら作業に必要な長さまでケーブルを引き出す

つなぎ目が出てきたらケーブルを持って引き出します。

作業の途中なにかのはずみで引っ込んでしまうかもしれません。ある程度の長さを出しておき、結び目でも作っておきましょう。

作業はこれで終わりです。

既設の可とう管にケーブルを通す場合

屋内の配線がすべて可とう管を通しているわけではありません。Fケーブルやキャプタイヤケーブルなどそのまま壁体内を通しているケースは十分あります。

Fケーブルやキャプタイヤケーブルはそのまま壁体内を通すことが多い
固いケーブルは壁体内をそのまま配線することが多い

また新築時に可とう管を使って施工した場合は、可とう管はコンセント口で接続ボックスにつないでいることがほとんどなので、可とう管と掃除機をつなぐことは難しいです。

屋内配線の可とう管はコンセント口でボックスに接続されるのが一般的
コンセント口に接続ボックスを設け、可とう管を接続している

さらに他のケーブルがすでに敷設されているので、太さにもよりますが、通線ワイヤーを使ったとしても新たにケーブルを追加するのは難しいでしょう。

ケーブルが1本無駄になりますが、旧ケーブルに新ケーブルをつないで引き出す方法があります。このとき他の電線も一緒に通してしまうこともできます。

以前我が家の1階から2階までは可とう管を使って電話ケーブルが敷設されていました。この電話ケーブルをこの方法でLANケーブルに交換したことがあります。

その際つなぎ目は引っ掛かりの無いようにテープでしっかりと留めます。途中で外れたらハイそれまでよという感じですが…。

難しければ通線ワイヤーを買った方が正解かな

ケーブルを引き込む際の注意

通線ワイヤーを使う場合でもその他の方法でも、可とう管に引きまれていくケーブルの状態は常に確認する必要はあります。

ねじれたまま引き込むと、その部分がキンクになったり絡まって団子になってしまい、ケーブルが痛むだけではなく管を通すことができなくなります。

ケーブルは伸ばしておく
できるだけ撚りは戻しておきましょう。

特に既設の管に通す場合は反対側は見えない場合が多く、できれば助っ人を一人用意して撚りを戻しながら送り出してもらうのが一番です。

またケーブルの通りをよくするために専用の潤滑剤を利用する手もあります。購入はしたのですが、実際数メートル程度の長さでは必要なく、一度も使ったことはありませんでした。

取り扱うケーブルが電灯線(100ボルト)の場合でコンセント等への接続を伴う場合は、接続する段階で電気工事士の資格を要します。

(おわり)

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