ローボルトタイプのガーデンライト、コネクタをつなぎ合わせるだけで簡単に設置できます。
でも長さが決まっているので完全に自由なレイアウトというわけにはいきません。
そこで市販のケーブルを自由にカットして思い思いにレイアウトをしてみましょう。
市販の部品を使ってより自由なレイアウトを…
前ページでは決まった長さの既製品ケーブルを使用したためレイアウトが不自由でしたが、ここでは市販のケーブルを必要な長さにカットして自由なレイアウトをしてみたいと思います。
専用コネクタは使わない
レイアウトが決まったらライト付属の専用コネクタは切り落とします。(専用コネクタはとても便利なので、もちろん使えるところは使った方が良いです。)

切り落とした専用コネクタは、電源部やジャンクションと直接接続する箇所では使用できます。
レイアウトが完了するまでは捨てないで保管しておきましょう
使用するケーブルについて
キャブタイヤケーブル

ホームセンターなどで上の写真のようにケーブルがドラムに巻かれて量り売りされているのをご覧になったことがあるかもしれません。
キャブタイヤケーブルは2本或いは3本の電線をさらにビニルやゴムで覆ったものです。
ビニル平行コードは使わない

ご家庭でテーブルタップなど電気製品の接続によく使われているポピュラーなものです。ただしこれらは屋内使用のものなので、電線管というもので保護したとしても使うべきではありません。
電線やコネクタの保護について
ビニルキャブタイヤケーブルはそのまま地面に這わせても構いません。10年20年は問題なしと言われています。
しかし、次に述べる電線保護管を使わず電線を地べたや花壇の草の裏あたりに這わせた場合、ネズミにかじられるとか、庭の除草作業中に誤って切ってしまうなどということもあり得ます。
可とう電線管
可とうというのはフレキシブルという意味です。
キャブタイヤケーブルは、本来屋内や屋外で手荒な扱いをする場所や水気のある場所で利用されるものなので保護管など必要ないのですが、自然環境だけがリスクではないので、可とう電線管(又は可とう菅)という保護管を使ってみました。
これは金属パイプなどと違って自由に曲がりますので、保護管として設置が容易なのです。

可とう電線管にはPF管とCD管の2種類あります。
PF管:耐候性、自己消火性あり、屋外での使用に耐える。色は白、黒、ベージュなどいろいろ。
CD管:耐候性、自己消火性なし、通常コンクリートに埋めて使うもので、PF管よりも安価。
フレキシブルだけど曲げに注意
紫外線やその他の自然環境による劣化に伴い、極端に曲げた箇所では割けることがあります。

可とう管を壁などに固定するにはサドルを使用
可とう管は壁などにきちんと固定すると見た目にもいいと思います。その際は専用のサドルを使用します。
サドルには片側だけを留めるものと両側を留めるものがあります。


コネクタを使って可とう電線管をボックスに接続
可とう電線管にケーブルを通してそのまま地べたに這わせても保護にはなりますが、両端のすきまから内部に雨水が入ったり土やごみや虫が入ったりで、使用する意味がなくなります。
可とう電線管を接続箱に接続すれば、その中でケーブルの接続をした際の保護もできます。可とう電線管と接続箱の接続にはPF管コネクタを使います。



なお、これら可とう電線管もPF管コネクタもその内径により14ミリ、16mm、22ミリといったように種類があります。
16mmが使いやすいと思います。(ただしこのサイズではローボルトライト既成のコネクタ部分は通りません)。
サイズはMFSK-16GSとかPF16といったように製品の表面に数字の記載があります。

この数値は管の内径。管とコネクタは両方とも同じサイズを選んでね。
ケーブル同士の接続は
市販のケーブルを使うので、これらを接続する必要があります。 はんだ付けするの?
一般的に電気工事では圧着端子をペンチで加締(かし)める方法を用いるのですが、芯線を差し込むだけで固定される(抜くときは芯線を左右に回しながら引く)とても便利なものもあります。クイックロック差込型などといいます。


芯線が撚り線の場合は差し込みができません。その場合は先端に棒形の端子を取り付けます。↓
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端子と絶縁体が一体のものです。5個入り、10個入りなどありますが、最近はどの店舗でもなぜか在庫が少ないようです。


端子と絶縁体が分かれているものもあります。



注意! 棒型端子には端子の長さが12ミリなどと短いものもあり、これではしっかり収まりません。16ミリは必要です。確認してね。
【参考ビデオ】差込型電線コネクタの安全な使用法(オーム電機株式会社)
次の動画は音が出ます。ご注意ください。
by オーム電機株式会社
この差し込み型コネクタはもともと屋内用なので、ジョイントボックスを使ったとしても100Vの配線には使用しない方がいいです。(12Vは問題ありません)
ケーブルの接続箇所は接続ボックス内に収める
ケーブルの接続は下図のようなボックスの中で行います。




通線ワイヤーで可とう電線管にケーブルを通す
可とう電線管にケーブルを押し込んでも、電線管とケーブル被覆との摩擦のため、長さが概ね2、3メートルを超えると、いくらケーブルを押し込んだところで入っていくものではありません。
ここで登場するのが通線ワイヤーです。可とう電線管に電線やケーブルを通すために使う道具です
ワイヤーを接続管内に通します。出てきたワイヤーにケーブルをつなぎます。途中で引っかからないように接続箇所はビニルテープで滑らかにまとめます。
接続が甘いと、引っ張ったときに外れる可能性もありますので注意が必要です。




当然通線ワイヤーは、ケーブルを通したい配管の長さより長くなければなりませんね。通線ワイヤをゆっくり曳いてケーブルを引き出します。
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可とう電線管を使わない場合はゴムブッシュで保護
可とう電線管を使わずそのままケーブルを収めたい場合は、接続穴の縁でケーブルが痛まないようにゴムブッシュを入れて保護します。


ホームセンターでも1袋複数個入りなどで購入できます。
ゴムブッシュにはナイフで切り込みを入れてケーブルを差し込みます。
コルゲートチューブを使う
ライトから伸びている線は比較的細く短いので、スパイラルチューブやコルゲートチューブといった電線保護チューブを使うと良いです(後から取り付けられます)。
ここでは手軽に使えるコルゲートチューブというものをご紹介します。
このチューブにはスリットが入っていて、電線をそのスリットに押し込むようにして被せて使うものです。
被せるためにコルゲートチューブ用挿入工具なるものを使用します。この工具無しで被せるのは困難です。
値段は500円前後と安価ですがとても便利です。
コルゲートチューブにケーブルを通す短い動画を作りました(音声なし)



チューブも工具もサイズは各種あるので確認してね。
障害が発生した場合
切り分けで障害個所の確認
長期間使っていると不具合というのは出てくるものです。
これまでもボックス内に水が溜まってショート状態になったことがありました。
でもそのために電源部が破損したことはありませんでした。安全を確保する仕組みになっているのでしょう。
さて、対応としては回路の不具合個所を見つける必要があります。一番疑わしいのは接続部分であり、次はライトの中に何か異常が発生した場合が考えられます。
雨降りの後に発生した場合は水が浸入しやすい箇所を中心に調査します。
回路が途中で分岐している場合は、電源に近い側から枝分かれしている個所を外していきます。
その都度電源を入れて状況を観察し、変化があればその枝分かれした系統を調査します。
- 浸水や食害にも -
定期的な点検もしたほうがいい前項で発生したショートの原因を調べたところ、中継ボックス内でビニル被覆がむき出しになった電線を発見。
裸線どうしは直接接触していなかったものの、連日の雨でショートしたものと思われます。


被覆のビニルはどこへ行ったのでしょう。
蟻がビニルを食べることがあるとのことですので、蟻による食害かもしれません。定期的な点検が必要ですね。
その他
● 最大接続可能ライト数について
専用の電源ユニット「ローボルト専用コントローラー36W」は、仕様では消費電力最大24.5Wとあります。このシリーズで使用されているLEDの消費電力は約0.5Wですので、ライト40基は余裕で使えますね。
ただ、我が家のように旧モデル(フィラメント球が1個当たり10W)のライトが混じっている場合は、消費電力の総量を計算するときに注意が必要です。
● 定期的な保守も必要
雨ざらしの中何年か経つと不具合が出ることもあります。でも自分で作ったものなので修理は苦になりません。


(おわり)